地球温暖化の影響から、毎年夏の気温が上昇し、特にここ数年、熱中症が多発しています。
職種別の熱中症発生率は、毎年建設業がワーストワン。
ただでさえ大量の汗をかく肉体労働に加え、炎天下での作業や、空調設備の整わない室内での作業、スラブの照り返し、コンクリートの放射熱、溶接の火や防水工事のトーチ熱、アスファルトの放射熱・・・などなど、単に気温の上昇による影響だけではなく、建設現場は熱中症の危険がつきまといます。
熱中症の発症数は、年間を通じて7月~8月が全体の9割と言われています。特に、暑さに慣れない7月は、それほど気温が高くなくても熱中症が発症しやすいと言われています。
また、24時間のうち約4割が午後2時台~4時台の3時間に集中して発生していますので、気温が上がり、疲れがたまってくる午後の時間帯は特に注意が必要でしょう。
☆ 熱中症への備えは万全に
● こまめな水分補給は必須ですが、水分のみで塩分補給を怠ると汗とともに塩分やミネラル分が失われるため、熱中症にかかりやすくなります。水1ℓに対して1~2gの塩分補給の必要があるとされています。
スポーツドリンクなどは、糖分控えめのものを選びましょう。
● 送風機の設置や通気性の良い服装、おしぼりなどで体を冷やす工夫を。空調服の着用も検討しましょう。
● 熱中症の疑いがあるときは、直ちに冷暗所で体を冷やしましょう。様子がおかしいと思ったら躊躇せず救急車を呼びましょう。
● 可能なら熱中症の危険指数の計測機なども導入しましょう。熱中症の危険度の高い時は負荷のかかる作業を行わないようにしましょう。
● 日頃から体調管理を心がけましょう。過度なアルコール摂取はアルコールは体調不良に加え、脱水症状を引き起こすと言われています。作業日の前日の飲みすぎは禁物です。
環境省のホームページに「熱中症アラート」のLINEサービスがあります。計測器の導入が困難な場合などに活用してはいかがでしょうか。