夏場の建設業は、炎天下やコンクリートの放射熱、冷房設備の無い室内での作業など、過酷な就労環境が特徴です。厚生労働省資料によると熱中症災害の発生数も職種別では建設業が最も多く、全体の3割を占めます。
近年は地球温暖化の影響で熱中症の発生率が急上昇し、さらにコロナ禍によるマスクの着用で熱中症のリスクが高まると言われています。消防庁によると昨年は5月から9月までに熱中症で4万7千人以上が救急搬送されました。特に気温の上がる7月、8月の発生が年間発生数の9割を占めるため、これからの季節、熱中症への万全の備えが必要です。
熱中症は約4割が午後2時台~4時台の3時間に集中して発生していますので、気温が上がり、疲れがたまってくる午後の時間帯は特に注意が必要でしょう。
☆ 熱中症への備えは万全に
● こまめな水分補給と塩分補給は忘れずに。
● 送風機の設置や通気性の良い服装、おしぼりなどで体を冷やす工夫を。
空調服の着用も検討しましょう。
● マスク着用時は連続した重作業を避け、適宜マスクを外して呼吸を整えましょう。
● 熱中症の疑いがあるときは、直ちに冷暗所で体を冷やしましょう。
● 様子がおかしいと思ったら躊躇せず救急車を呼びましょう。
● 可能なら熱中症の危険指数の計測機なども導入しましょう。
● 危険度の高い時は負荷のかかる作業を行わないようにしましょう。
● 日頃から体調管理を心がけましょう。作業日の前日の飲みすぎは禁物です。
昨年より全国を対象に、登録地点の当日と翌日の危険指数がわかる『熱中症アラート』が開始されました。環境省のホームページにLINEサービスがあります。計測器の導入が困難な場合などに活用してはいかがでしょうか。